トレードを行う時間足
トレードに関して、正しいやり方や唯一の正解というようなものはありません。
ただし、トレードを行う人の生活スタイル、性格、お金に対するストレス耐性、どの通貨ペアで取引すするのか、どれくらいの利益(損切り)を計画するかによって、利用すべき時間足は違ってきます。
今回は、トレードを行う人の特徴に合わせた時間足の選び方を紹介したいと思います。
トレードを行う時間足とは
トレードを行う際は上位足〜下位足までの動きを見ながらタイミングを計るわけなので、ここは人によって解釈や説明が異なってくる部分かもしれません。
ただ、このブログの中で説明する場合の、「トレードを行う時間足」とは、以下のように定めます。
・エントリーのタイミングを決めるための時間足
・決済のタイミングを決めるための時間足
仮に5分足でエントリーと決済のタイミングを決めるとしても、そこには上位足(1時間足や4時間足)の大きな流れがある中でのタイミングなので、5分足だけで判断しているものではありません。
走り出す方向(買いor売り)が決まったら、あとはスタートを切るタイミングと、ゴールのタイミングを決めるための時間足が、トレードを行う時間足ということです。
自分に合った時間足を見つける
トレードを行う時間足を決めたら、そのルールは崩すべきではありません。
例えば、5分足と15分足ではダブルボトムを形成するまでの所要時間も単純計算で3倍違うわけです。
トレードをする上で非常に難しいことは、エントリーや決済を決定する「適切なタイミングまで待つ」ということです。
この「待つ」という行為が極めて大切です。
「適切なタイミングまで待つ」ということができないがために、無駄なエントリーを行い損切り貧乏になったり、もっと利を伸ばせるところで早めに決済してしまい、利少トレードになったりします。
また、チャート画面を前にして、1時間待つのと3時間待つのでは大きく違います。
例えば、普段は5分足ばかりでトレードしていて、2〜3時間くらいでダブルボトムが形成されるという感覚が染み付いていたとします。
そんな人が15分足トレードをした時に、頭の中では3倍の時間がかかるとわかっていても、冷静な判断力で6〜9時間を待つことはなかなか難しいと思います。
7時になったら目が覚める、12時になったら眠くなる、1時間勉強したら集中力が途切れる、等々、自分の時間感覚というのは自分が思っている以上に体に染み付いているものです。
トレードも同じで、時間感覚を身につけるためには繰り返しの訓練と経験が必ず必要です。
また時間足を選ぶ時にはどれくらいの資金を投じてどれくらいの利幅を狙いたいか、事前計画が必要です。
そういった部分を踏まえて、自分のスタイルに合った時間足選びをしていきましょう。
投入資金と利幅の計算
例えばこのように計算します。
仮に100万円の資金投入をするとします。
一般的に1回あたりの損切り額は2〜3%に抑えるべきとされますので、許容される損切り額は20,000〜30,000円です。
リスクリワードを1:2とした場合、狙う利益は、40,000〜60,000円となります。
10万通過で取引し、20pips(20,000円)の損切りを設定し、40pips(40,000円)の利益を狙ってトレードするという具合です。
あとはご自身の資金力に応じて、0を増減して計算してみてください。
各時間足の特徴
以下の説明は、あくまでひとつの目安としてご認識ください。
1分足
エントリーから決済までの時間
数分〜1時間程度(スキャルピング)
資金力
少ない資金でも可能
(最低証拠金は証券会社によって違うので、具体的な金額には触れません)
狙える利幅
ボラティリティ低め(ドル円、ユーロドルなど)10〜20 pips 程度
ボラティリティ普通(ユーロ円、ポンドドルなど)15〜30pips 程度
ボラティリティ高め(ポンド円、ユーロ豪ドルなど)20〜40pips 程度
想定する損切り幅
リスクリワードを考えて、損切り幅は狙う利幅の50%程度に設定するのがベスト
メリット
低資金でトレードすることが可能
損切り幅が小さいため1回あたりのダメージは少ない
1回あたりのトレード時間が短いので、時間がない人でもトレードしやすい
デメリット
狙える利幅は小さいので、そこそこ手数を出さないとまとまった利益にはならない
1分足レベルでは価格がブレやすいので、エントリーや決済のタイミングを計るのは難しく、損切り貧乏になりやすいので、どちらかというと上級者向け
5分足
エントリーから決済までの時間
2、3時間〜12時間程度(デイトレード)
資金力
比較的少なめの資金でも可能
狙える利幅
ボラティリティ低め(ドル円、ユーロドルなど)20〜40 pips 程度
ボラティリティ普通(ユーロ円、ポンドドルなど)30〜60 pips 程度
ボラティリティ高め(ポンド円、ユーロ豪ドルなど)50〜100 pips 程度
想定する損切り幅
リスクリワードを考えて、損切り幅は狙う利幅の50%程度に設定するのがベスト
メリット
比較的低資金でトレードすることも可能
1分足に比べるとエントリーや決済の判断スピードが抑えられ、慌てずにトレードできる
1回あたりのトレード時間としてはサラリーマンなど兼業トレーダーでも可能なレベル
トレードを判断するスピード感や得られる利幅、損切り幅を考えれば初心者〜上級者まで最も使いやすい時間足と言える
デメリット
サラリーマンなどの兼業トレーダーにとっては、トレード時間の確保が課題
また、確保できた時間の中でたまたまチャンスの相場が現れるとは限らない
相場の明確な反転を確認できるまでに数時間かかる場合もあるので、トレード時間が確保できない人には少し厳しいかも・・・
15分足
エントリーから決済までの時間
10時間〜24時間程度(デイトレード)
資金力
多少資金が必要
狙える利幅
ボラティリティ低め(ドル円、ユーロドルなど)30〜60 pips 程度
ボラティリティ普通(ユーロ円、ポンドドルなど)50〜100 pips 程度
ボラティリティ高め(ポンド円、ユーロ豪ドルなど)100〜200 pips 程度
想定する損切り幅
リスクリワードを考えて、損切り幅は狙う利幅の50%程度に設定するのがベスト
メリット
想定される利幅は大きく、一発でそこそこの利益が狙える
資金に余裕があるのなら、多少の値動きは気にせず1〜2日かけてゆったりトレードすることができる
デメリット
損切り幅も広く1回あたりのダメージも大きい
平日に2日以上のまとまった時間が取れないと難しい
損切りになった場合はそれなりの資金が溶けるので耐えれるメンタルが必要
1時間足
エントリーから決済までの時間
数日〜1、2週間程度(スウィング)
資金力
潤沢な資金でも可能
狙える利幅
ボラティリティ低め(ドル円、ユーロドルなど)100〜200 pips 程度
ボラティリティ普通(ユーロ円、ポンドドルなど)150〜300pips 程度
ボラティリティ高め(ポンド円、ユーロ豪ドルなど)200〜400pips 程度
想定する損切り幅
リスクリワードを考えて、損切り幅は狙う利幅の50%程度に設定するのがベスト
メリット
一発でかなりの利益を狙うことが可能
デメリット
絶対的な資金力が必要
エントリーから決済までの時間も長いので多少の事では揺るがないメンタルが必要
時間と資金に余裕のある人向け
4時間足〜日足
エントリーから決済までの時間
数週間〜数ヶ月
ここまでくると、もはや長期投資になってくるので外貨貯金にも似た感覚になるかと思います。
まとめ
今回は時間足についての解説をしましたが、いかがだったでしょうか。
トレードを行う上で、自分のトレードの軸となる時間足を決めることは非常に重要です。
この記事がご自身のトレードスタイル(時間足)を見つけるためのヒントになれば幸いです。
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